津軽の俳句 千空と修司

2010年3月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第47回]

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北国の海沿いの道を歩いた。舞い上がる雪が下から顔を叩いて行く。押し寄せる大波がたくさんの泡を作り出し、波の花となって飛んで行く。気温はマイナス5度ほどだろうが、体感気温はもっとずっと低いはずだ。秋田と青森の県境をまたぎ、日本海沿いを走る五能線。昔からずっと訪れてみたいと思っていた。ぼくは2回にわたって津軽で生活している。初めはいつからかよくわからない。戦後2、3年してからだと思うが父親が弘前の国立病院の事務職として働いていたころ、小学校入学直後まで住んだ。5歳のころ住んでいた長屋が火事にあったこともあって、当時の記憶ははっきりしている。次に住んだのはやはり父親の転勤で青森市久栗坂(当時は野内村)にある国立療養所「臨浦園」の官舎。久栗坂小学校5年生の途中から、浅虫中学校1年生の11月までいた。幼少期の数年にしかすぎないが、ぼくの体内には「津軽」が ………

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