2010年2月号 連載 [RELIGIOUS WORLD]
12月30日午前6時45分、ローマ教皇庁の枢機卿、白柳誠一氏が心筋梗塞のため東京都内の静養先で帰天(死去)した。81歳だった。大晦日の新聞各紙は、我が国唯一の枢機卿の死を社会面で一斉に報じた。枢機卿とは、カトリック教会でローマ教皇に次ぐ高位の聖職者のこと。その数は世界中で200人弱。教皇庁の要職を占め、80歳未満の者は教皇選出の選挙権を持つ。マリリン・モンロー主演の『帰らざる河』で知られるオットー・プレミンジャー監督の名作『枢機卿』(62年)では、枢機卿に上り詰める青年の半生がドラマチックに描かれるなど、聖職者の代表的存在といっても過言ではない。日本では、土井辰雄、田口芳五郎、里脇浅次郎(いずれも故人)の各氏に次ぎ、1994年に教皇ヨハネ・パウロ2世から白柳氏が親任された。その後、浜尾文郎氏も職に就いたが、07年に亡くなったため、白柳氏は唯一の日本人枢機卿だ ………
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