2010年2月号 連載 [「軍略」探照灯 第46回]
19世紀末の朝鮮政界には「事大党」と称された一派がいた。「事」は、この場合「仕」と同意語で、ひたすら大清国に仕えて、衰微した李王朝と自身の地位を保ちつつ、欧米列強や日本の圧力に対抗しようとし、日本に倣い近代化をはかる独立党と複雑で激しい党争を繰り返した。今日、自民党や外務官僚のみならず日本メディアのほぼ全てが、何かと言えば「日米同盟に亀裂が生じる」と合唱する有り様は朝鮮の事大党を彷彿とさせる。インド洋での給油活動についても「それを中止すればアメリカが怒り、大変なことになる」と“日本事大党”は主張したが、民主党政権が中止を決めても、米国から何の反応もなく、いまでは忘れられた問題になっている。冷静に大局を見る目があれば、米国にとって洋上給油はどうでも良い話、と分かったはずだ。アフガン戦争は内陸での地上戦であり、タリバーンが勢力を回復して34州中26 ………
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