剛腕アクターに押され 藤井辞任は必然の政変

2010年2月号 連載 [政々堂々 第14回]

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先月号の本欄で、私は「鳩山由紀夫政権の中枢部分が空洞化している」と指摘した。それぞれ思惑を秘めた複数のアクター(行為の主体)たちがうごめく政治の舞台で、中枢部分が空洞化してしまうと、力の真空状態を埋めようとして、実力を備えたアクターは次第に舞台中央に躍り出てくる。それは、あたかも途中まで飲んだワインボトルにゴム栓をして中の空気を抜くと、ゴム栓が閉まるようなものだ。物理の法則にしたがって、周辺が真空を埋めようと吸い寄せられていくのである。昨年12月末以来の鳩山政権はまさに、そんな状況を呈した。小沢一郎民主党幹事長がガソリン税暫定税率の維持を掲げて、内閣に党の「要望」を出した件で、小沢はマスコミから「これぞ二重支配の表れ」と一斉に批判された。だが、要望を出した小沢よりも、鳩山内閣が政権内で甲論乙駁を繰り返すばかりで、いっこうに物事を決められな ………

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