耐えがたい「宰相の言葉」の軽さ

2010年2月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第46回]

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この「硯の海」では、筆者の本来の守備範囲である政治を取り上げることが少ない。理由は極めてはっきりしている。書いていて少しも楽しくないからである。書いているうちに、段々、自分の品性がより下がってくるような気がしてくるのである。しかし、今回は書かねばならぬと思った。「言葉」というものを主たるテーマに書いている以上、後世に「証拠」を残す意味でも書かねばならない。鳩山由紀夫という宰相の言葉のあまりの軽さについて。*これまで佐藤栄作首相から鳩山由紀夫首相まで22人の首相を政治ジャーナリストとして観察してきた。言葉も存在そのものも軽い首相は何人かいたが、鳩山首相ほどに言葉の軽い首相は初めてである。もはや「軽い」という表現は適当でなく「限りなく嘘に近い」というべきなのかもしれない。言葉の軽さは、第一に性格の弱さから来るのではないかと思われる。眼前の人に ………

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