バロックからテクノまで疾走する「天才」

『アウフガング』

2010年2月号 連載 [MUSIC Review]

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フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ。名前だけを聞き、どこの国の人間か当てるのは難しい。イタリア系ながら、国籍はルクセンブルク。1981年生まれの作曲家でピアニスト。地元ルクセンブルクでピアノを始めたが、最も影響を受けた先生はロシア人。15歳でニューヨークに渡り、ジュリアード音楽院を卒業。現在はカタルーニャのバルセロナに住むコスモポリタンだ。日本で人気のピアノ連弾兄弟「レ・フレール」はルクセンブルク時代の学友という。もう一人のピアニスト、打楽器奏者と3人で組むハイブリッド音楽のユニットの来日記念盤が写真の一枚。バルセロナ、ベイルート、パリを拠点としながら「テクノ音楽発祥の国、ドイツに敬意を表し」、アウフガングというドイツ語をユニット名にしている。20世紀半ばまで、作曲と演奏は一体のものだった。ピアノの世界で言えば、ショパンもリストもラフマニノ ………

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