河野 良雄氏(農林中央金庫理事長)

農業再建と収益性 「二律背反」に耐える

2010年2月号 POLITICS [インタビュー]

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――2012年に始まる金融機関の自己資本比率規制の強化について、国際決済銀行(BIS)が経過措置を設けると報じられました。リーマン・ショック後の09年、1兆9千億円の増資をした農林中金はこの“先送り”をどう見ていますか。河野 あの当時、2兆円近い増資といえば途方もない規模で「ギネスブックに載るのではないか」と揶揄されました。マーケットを先取りしたのですが、過剰資本で効率が悪いとも言われました。いま振り返ればあのタイミングで増資をいただいたのは一番よかったのではないかと思います。国際的な自己資本規制の強化は経過措置を設けると原文にも書かれていますが、強化の方向は確定しています。たとえ期間が定められていなくとも、欧米金融機関のどこかがそれを見越して自己資本強化を具体化させれば、いずれそれが格付け機関や市場の見方の基準になってくるでしょう。強化の期間が後ろ倒 ………

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