増資出遅れ「みずほ」の爆弾

新自己資本規制に「経過措置」がついたが、市場は猶予しない。落ちこぼれる邦銀の「椅子取り」ゲーム。

2010年2月号 COVER STORY [日本「失われた20年」]

  • はてなブックマークに追加

株主たちにはとんだお年玉だった。年明け早々の1月6日に三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)が、8千億円の大型増資を実施すると発表したのだ。昨年12月には三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が1兆円の増資を実施したばかり(本誌前号「メガバンク増資で株価二番底」参照)。国際決済銀行(BIS)の新たな自己資本比率規制に身構えた銀行が、相次いで増資に走ることにより、ふらつく株式市場からどんどん資金が吸い上げ(クラウディングアウト)られていく。三井住友は09年夏にも8600億円の公募増資を実施している。同じ決算年度に二度も増資をするのは異例中の異例。今回は国内で1億6千万株、海外で1億8千万株、追加発行枠も含め最大で3億6千万株の株式発行となる。昨年の増資分と合わせて、三井住友の発行済み株式数は7割も増加する。その分、収益の増加を伴わなければ、一株当たりの利益は ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。