「コンクリートから人へ」の盲信

建設業30万社は廃業、2年間で50万人の雇用減。マニフェストによる「ホロコースト」が始まる。

2010年1月号 BUSINESS

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「我々の事業を指導する中核的力は中国共産党である」こんな文言で始まる『毛沢東語録』は1966年、文化大革命の混乱が極まる中国で刊行された。毛を盲目的に支持する紅衛兵(原理主義の学生運動家)が「造反有理」(謀反人にこそ道理がある)などのスローガンを掲げ、全国の人民を巻き込んで粛清運動を展開した現代史の悲劇だ。43年後の東京・霞が関の官庁街で「紅衛兵」と揶揄されているのが民主党の若手政治家だ。政務三役(大臣、副大臣、政務官)の多くが、鳩山由紀夫首相の顔写真を表紙にデカデカと刷り込んだ「Manifesto(マニフェスト=政権公約)2009」を携行している。官僚主導政治からの脱却を唱える鳩山政権は役人の弁に惑わされない。「それでは地元(あるいは業界)が納得しません。こうすればいかがでしょうか」と持ちかけても、「ちょっと待て」とやおら冊子を取り出し、「いや、だめだ ………

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