2010年1月号 連載 [メディアの急所]
日本経済新聞社が元旦から駅、コンビニなどのスタンドでの即売価格(1部売り)を値上げする。朝刊が現行の140円から160円に20円(14%)、夕刊は50円から70円に20円(40%)引き上げる。物価下落が続くデフレ時代に強気の価格戦略と見られそうだが、実は日経の腰は引けている。同社の発行部数は300万部余りだが、即売比率はわずか10%。9割を占める月極めの購読料は朝夕刊ともに据え置く。このため、即売の値上げによる増収は年間5億円程度にしかならない。売り上げ3600億円(連結)の日経にとって大した金額ではない。さらに値上げに伴う販売経費が1億円ほどかかるため、増益効果は差し引き4億円と見込んでいる。ただし、これは値上げに伴う販売減がないと仮定したソロバン勘定で、実際には部数減が避けられないため、収益はさらに縮小するだろう。新聞業界では94年以降値上げがなかったが、06年6月、 ………
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