コントラストに浮かぶ破滅への激情

映画『カラヴァッジョ  天才画家の光と影』

2010年1月号 連載 [IMAGE Review]

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ミケランジェロ・メリージと言っても誰だかわかるまい。通称カラヴァッジョ、少年時代を過ごしたミラノ近郊の村の名に由来する。「ドラマチックな明暗法と写実描写によってバロック絵画への道を切り開いたイタリア絵画の巨匠」というのは光の部分、「殺人を犯した犯罪者で、38歳で夭逝した呪われた画家」はその影。2010年が没後400年というめぐりあわせか、カラヴァッジョの波乱に満ちた生涯が映画化された。高熱にうかされ、小舟に横たわる彫りの深い男がカラヴァッジョ。幼いころからの回想が、脳裡をよぎる。黒死病、異端者の火あぶり――カラヴァッジョが生きた16世紀末から17世紀初頭は日常的に死と向き合う時代で、黒い馬に乗った死に神の幻影がつきまとう。スペインやフランスなどの諸勢力が覇を競うイタリアで、揺れ動く時代の波にもまれながら過剰な激情ゆえに自らを破滅の淵へと追い込んでしま ………

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