創業夫妻の「私物化」の果てジャストシステムの命脈

2010年1月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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ワープロソフト「一太郎」や、かな漢字変換ソフト「ATOK」を主力製品とする、日本語入力ソフトのパイオニア、ジャストシステムの経営が揺れている。79年に浮川和宣・初子夫妻が創業した同社は、85年に一太郎が爆発的にヒットして一時代を築いたが、その後、米マイクロソフト「オフィス」シリーズの攻勢を受けシェアは激減。06年3月期以降は4期連続の赤字だ。教育用から企業向けまで、多様なラインアップを抱えるが、一太郎やATOKに続くヒット商品を生み出せないことが苦境の原因となっている。元社員は「会社は創業者2人に私物化されていた。シナジー効果もない思いつきのような多角化で、回収できない投資が膨らんでいった」と語る。同社は4月、計測機器大手キーエンスから45億円の出資を受けて子会社となり、6月には和宣社長が会長へ、初子専務が副会長へ退く新体制で起死回生を狙っていた。しかし、1 ………

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