常陰住友信託が「高橋天皇」に引導

中央三井との経営統合が実現した背景には、「住信のドン」高橋会長の無言の退場劇があった。

2010年1月号 BUSINESS

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十年来取り沙汰されてきた経営統合をようやく決めた住友と中央三井の両信託銀行。「経営路線が異なる」(中央三井トラスト・ホールディングスの田辺和夫社長)と距離が広がる一方に見えた両行が統合合意に至った背景には、10年以上にわたり「天皇」として君臨してきた高橋温会長(68)から、常陰均社長(55)が権力を奪う住信の「政変劇」があった。大手行では最年少となったトップ就任から約2年、経営の先行きに危機感を強めた常陰氏は「高橋会長のワンマン経営と独裁人事に膿んだ社内を実力主義に塗り替える経営改革で求心力をつけ」(住信関係者)、中央三井が「統合の最大の障害」としてきた高橋会長の発言力を封じ込めたという。「高橋会長が介入するスキを与えないように細部に拘らず一気呵成に合意した」(住信関係者)ため、中央三井との統合期日は2011年春に延びたというが、高橋会長を黙らせ ………

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