古き良き「ナベツネ」の時代

2009年12月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第44回]

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40年ほどのジャーナリスト生活で内外のたくさんのジャーナリストとすれ違ったが、日本での圧倒的存在感という点では、ナベツネこと渡邉恒雄を上回る人はいない。新聞人としても、記者としてそれなりにすぐれ、かつ名経営者といわれる人は彼ぐらいのものだろう。共産党東大細胞の幹部から、発行部数1千万部の大新聞社の経営者、人気球団読売ジャイアンツの事実上のオーナー、そして大連立工作などの政界仕掛け人としての顔。毀誉褒貶完全に相半ばする。いや、褒める人より蛇蝎の如く嫌う人のほうが多いかもしれない。「ナベツネ」とは一体、何者なのか。政界には「小沢一郎神話」のように大物政治家の行動をめぐってさまざまなうわさが一人歩きしたりすることが多い。かつての田中角栄神話、金丸信神話、などがそうだ。政治家以外で、それもジャーナリズムの世界の人物で神話ができるほどの人といえば、 ………

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