米金融機関監督の「FRB集中」骨抜き

6月に鳴り物入りでガイトナー財務長官が発表した目玉政策。FRBは尻込みし、ウォール街も面従腹背。

2009年12月号 BUSINESS

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マンハッタンの中心街44丁目には、ニューヨーク・ヨットクラブなど会員制クラブが軒を並べる。中央のハーバード・クラブは、弁護士やバンカーら米国エスタブリッシュメントが集まる情報交換のメッカだ。その名門クラブに、オバマ大統領が信頼する経済アドバイザーであり、米国経済を立て直す「経済回復諮問委員会」委員長となった重鎮、ポール・ボルカー元連邦準備理事会(FRB)議長が現れた。今後の政策の行方を左右する元議長のオフレコ講演に会場は満員の入り。オフレコとはいえ、複数の出席者の証言から浮かびあがってきたのは、ティモシー・ガイトナー財務長官が6月に打ち出した金融改革が挫折しかけている現状だった。講演を再構成してみよう。元議長は、米国債や財務証券の5割以上が中国など海外勢に保有されている状況に懸念を示した。米景気については「後退期は終わったのかもしれない」とし ………

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