馬脚が現れた「マクロ音痴」。打ち出の小槌ばかりで、絞れぬ濡れ雑巾。長期国債市場は風雲急を告げる。
2009年12月号 COVER STORY [長期金利に黄信号]
難破したタンカーから流れ出した重油を手柄杓ですくうようなものと言ったらよいのだろうか。政府の行政刷新会議が11月11日から鳴り物入りで始めた、2010年度予算の概算要求の「事業仕分け」作業である。約210の要求項目を精査するというが、財政の穴は数十兆円単位。焼け石に水もいいところである。日本の財政は大丈夫か――。ヒソヒソ話で語られていた懸念が、現実のものになりだした。外国人投資家は10月に入って中長期国債の売り手に回り、売越額は10月4日から月末までの4週間の合計で9620億円と、1兆円に迫った。継続的に物価が下がるデフレ状況なのに債券売りとは異常事態。このままでは財政がもたない、と外国勢は感じているのだ。10年物国債の利回りは11月9日まで4日連続で上昇(債券相場は下落)して1.475%と、今年6月以来の水準をつけた。債務不履行のリスクを取引するCDS(クレジット・デフォ ………
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