「アフガン増派」で米国分裂

「この戦争は敗北間近」。現地米軍司令官の要請に、ノーベル平和賞のオバマ大統領は苦渋の選択を迫られた。

2009年12月号 GLOBAL [乱舞する代替案]

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治安が悪化するアフガニスタンに対し、ワシントンでは最近「中間オプション」(intermediate options)をめぐってさまざまなアイデアがせめぎあっている。一方には駐留米軍司令官、スタンレー・マクリスタルが要求する数万人規模でのNATO(北大西洋条約機構)軍、すなわち米軍を増派する案に顔を顰める人々もいれば、他方には元国防長官ドナルド・ラムズフェルドが提唱した「ミニマリスト・アプローチ」(ハイテク兵器を利用して最小限の兵力で任務を遂行する)へ回帰する案に不快を隠さない人々もいるのだ。不正が横行したアフガニスタン大統領選挙は、タジク人のアブドラ・アブドラ元外相が決選不出馬を表明。11月2日にパシュトゥーン人のハミド・カルザイ大統領の再選が決まったものの、政情安定にはほど遠い。ワシントンで中間オプションの議論が出るのは理解できる。ただ、それらの内容は、マクリ ………

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