【天然ガス革命】北米の「福音」

「ガス大国」ロシアが青ざめた。米国全土に新たな鉱床。LNG輸入激減で世界の資源地図が塗り替わる。

2009年12月号 GLOBAL [LABYRINTH]

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頁岩(けつがん・シェール)と聞いて、古生物学者で名文家の故スティーブン・ジェイ・グールド(ハーバード大学教授)をとっさに連想できる人は、彼の傑作『ワンダフル・ライフ』に魅せられた人に違いない。5億7千万年前の地球に起きた奇跡――謎の「カンブリア紀の大爆発」で生物は劇的な進化を遂げ、奇想天外な多細胞動物が無数に出現した(宮崎駿『風の谷のナウシカ』の王蟲(オーム)はその一つハベリアがモデルだろう)。その化石が大量に発見されたのが、カナダのブリティッシュ・コロンビア州の東端、ロッキー山脈のバージェス尾根にある頁岩からなのだ。頁岩とは、泥土が堆積して層状に固まり、本を畳んだように薄く剥がれやすい岩のこと。泥板岩と呼ばれる圧密作用を受けた頁岩はスレート屋根などに使われ、石油を含むものは油頁岩(オイルシェール)、派生するガスは頁岩ガス(シェールガス)と ………

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