編集後記

2009年12月号 連載

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雑誌編集長はストリッパーと同じで、自分の内臓をさらして生きている。だから、この因果な稼業に明け暮れる人は「餅は餅屋」ではないが、他人の雑誌も一目見ればたちどころにその本性を見抜ける。灰色の脳細胞が明滅して「こいつは同類」と直感するのだ。中国の隔週刊誌「財経」(Caijing)の女編集長、胡舒立(フーシュリ)さんも、私にとってはそんなジャーナリストだった。▼1998年の創刊以来11年間編集長を務めてきたが、11月9日に辞表を出した。その経緯は70~71ページの記事を読んでほしい。検閲や報道管制が厳しい中国では、ほとんど奇跡とも言えるような小気味いい攻撃的な暴露(調査)報道を売り物にしてきた。小誌と志を同じうすると言っては、彼女に不遜だろうか。少なくともジャーナリストの嗅覚がよく似ていることは確かと思える。▼たとえば、彼女の編集の最終号トップ記事。「黎強紅与黒」 ………

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