2009年12月号 BUSINESS
これほど陰湿極まりない人事がまかり通る企業があるとは……。本誌11月号で富士通の野副州旦社長辞任の真相は、取締役に残る秋草直之元社長が引導を渡したと報じたが、社内で厳重な箝口令が敷かれていたその詳細がようやく明らかになった。富士通が突然、社長交代を発表した9月25日朝の様子はこうだ。定例取締役会など分刻みのスケジュールをこなすため野副が出社すると、秋草に呼ばれた。同じフロアにある相談役室に入ると、秋草のほかにもう一人の男が野副を待っていた。秋草らは野副のスキャンダルを暴く証拠書類を示し、辞任を強く迫った。野副が抵抗して取締役会は遅れたが、ついに屈した野副はその足で会長の間塚道義の部屋を訪れ、病気を理由に辞任を申し出た。スキャンダルは何だったのか。「カネかオンナでしょうが、富士通幹部は誰しも叩けば埃の一つや二つは出てくる。野副は脇が甘いから、社 ………
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