2009年11月号 連載
本人がカミングアウトしちゃったから、もういいのだろう。旧大蔵省の異能官僚でありながら霞が関に反旗を翻し、特別会計積立金の不明朗を暴いて「埋蔵金男」と呼ばれた高橋洋一氏(元内閣参事官)が、半年余の沈黙を破って新著『恐慌は日本の大チャンス』(講談社)を出した。3月に起きた書類送検のてんまつは、序章で4ページほど書いてある。▼彼に電話した。「本、読んだよ。微妙だな」「どうして?」「例の一件、あれでみんな納得するかな」。本の腰巻きには「国家の陰謀!」とあるのに、本文は「ロッカーにあったなにかを届け忘れた」という落ち度は決して弁解できないもの、と恬淡と綴っている。陰謀説を読みたい野次馬、それをあてこみたい出版社の下心をあっさり外していた。実は不起訴処分以降、私は何度も彼に会って聞いているから、何があったかより、どう書いてあるかが関心事だった。▼彼は数 ………
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