2009年11月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
鳩山政権の脱官僚依存のスローガンに逆らうように、農林水産省は赤松広隆農相と農水官僚の協調路線が固まりつつある。民主党は農産物価格が下落し、生産費を下回った場合、農家に赤字分を補填する「戸別所得補償制度」を11年度に導入する方針だが、「課題が多い複雑な制度設計は役人の知恵を借りなければできない」(民主党関係者)のが実情という。井出道雄事務次官が衆院選前に所得補償制度を「現実的でない」と批判し、更迭は不可避と見られた。ところが、意外や井出次官は新政権に忠誠を誓って「歴史的和解」(赤松農相)を果たし、幹部の留任が決まった。その背景には所得補償制度を一日も早く固めて、来夏の参院選で「農村票」をかっさらうという民主党の基本戦略がある。すなわち対象品目の選定、農産物価格や生産費の基準作りといった細目について「民主党内には明確なアイデアがない」(関係者 ………
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