2009年11月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
三井住友フィナンシャルグループとの提携解消を決めた大和証券グループ本社。メガバンクから独立を保った鈴木茂晴社長は社内の「民族派」から英雄視されているが、外部の視線は厳しい。三井住友と共同出資で設立した法人取引専門の大和証券SMBC。大和が議決権の6割を握るものの、三井住友の支店網がかき集めた取引先の株式公開や資金調達案件で商売が回っていた実態は拭いがたい。提携関係にあったこの10年間、銀行任せできたおかげで「営業の足腰が弱り、自前で案件を掘り起こす力が衰えている」(野村証券幹部)と揶揄される。今、大和社内の主流派は独立維持の高揚感に浸っているが、三井住友の営業力に頼れなくなれば、遠からず収益急減の現実に直面することになる。三井住友という「用心棒」を失った大和の縄張りはライバルの草刈り場になる。特に、最大手の野村証券は、持ち前の販売力を武器に大 ………
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