皇后美智子に「母性」の深遠

象徴天皇の「かたち」は、精神的、肉体的に強靱な、類希なる民間妃の支えがあって初めて完成した。

2009年11月号 LIFE [結婚50年満75歳の節目]

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皇后美智子は10月20日、満75歳の誕生日を迎える。今年は皇后登位20年、結婚50年の大きな節目である。皇后といえば、優しさ、慈愛といったイメージだが、精神的、肉体的に強靭な女性であり、超一流の文化・教養人である。過去の皇后の姿に学び、象徴としての皇后像をつくり、そこにとどまらず、さらに踏み込んでその姿を深遠、深化させた。象徴天皇の「かたち」は、平成の天皇ひとりで出来たのではなく、この皇后の支えがあって初めて完成した。歴代中、後世に長く語り継がれる存在であろう。9月28日午前、東京・有明コロシアム。皇后は引退を表明した女子プロテニスプレーヤーの杉山愛の試合を観戦していた。そこへボールが飛び込み見事にキャッチ、グラウンドに投げ返した。観客席から拍手が上がり、皇后もにっこり笑って応えた。ごく自然な国民との交流で、表情にゆとりがあった。

未だに癒えない傷み

「50年前、普通の ………

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