2009年11月号 DEEP [ディープ・インサイド]
日産自動車社長と仏ルノーCEOを兼ねるカルロス・ゴーン氏による「不可解な人事」がさまざまな憶測を呼んでいる。日産で今年2月末まで広報担当役員を務め、その後、米シアトル本社のマイクロソフト広報担当役員に転じていたサイモン・スプロール氏が、今年9月に突如、日産とルノーの合弁会社である「ルノーニッサンBV」の役員に復帰したのだ。同社は日産とルノーの提携を管理する会社。スプロール氏が日産を退社したのは突然のことだった。当時、日産では「キャッシュフロー危機」が囁かれており、「敵前逃亡」との批判もあったほどだ。あれから1年も経っていないが、ゴーン氏はあっさり復帰を認めた。ゴーン氏が好む人材は、「実務家」か「哲学的に深く考えることができる人」と言われている。スプロール氏はかつて米フォードで広報部門に在籍するなどPR業務に精通しており、その専門性が買われたと見ら ………
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