財界が忌み嫌う「CO225%削減」の国際公約こそ、旧体制との「断絶」宣言。民主主義の壮大な実験が始まった。
2009年11月号 POLITICS [民主主義の「壮大な実験」]
10月6日、日本経団連会長の御手洗冨士夫がやっと首相官邸の門をくぐった。首相の鳩山由紀夫との初顔合わせは政権発足から3週間後。鳩山は民主党最大の支持団体、連合の会長だった高木剛には就任の翌朝、いの一番に会ったのに、自民党寄りの「財界総理」は焦らすだけ焦らして呼んだ。「和気藹々だった」。面会後、経団連関係者は言葉少なだった。この日、鳩山は首相直属の「行政刷新会議」の民間議員に民主党に近い異端の経済人、京セラ名誉会長・稲盛和夫らを指名。経団連は素通りで御手洗に強烈な当てつけとなった。翌7日には経済産業相・直嶋正行が経団連に御手洗らを訪ねて「地球温暖化対策を好機と捕らえ、産業の競争力強化に努めたい」。鉄鋼や電力が忌み嫌う温暖化対策を突きつけた。これが政権交代のもたらした「断絶」だ。場面は民主党が大勝利を収めた8月30日の衆院選直後に遡る。「この数字だ ………
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