「北海油田」を浪費した英国が停電目前

10年余のエネルギー無策と、ガス火力発電依存がアダ。日本も「環境」ばかりだと、たちまち二の舞か。

2009年11月号 BUSINESS

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エネルギー無策が国民に何をもたらすか、その好例がここにある。9月1日付の英国紙デイリー・テレグラフは衝撃的な記事を載せた。今後8年以内に英国は電力不足に陥り、国内1600万世帯が毎年少なくとも1時間の停電を余儀なくされるという。政府も7月15日に発表した「低炭素移行計画」の添付文書の中で電力不足の心配があることを認めている。英国には豊富な石炭に加え、北海油田の石油や天然ガスがある。しかも太陽光、風力などの再生エネルギーでも世界最大規模の潜在生産能力を持っているはずだ。その英国で「blackout(停電)」とは……いったい何が起きたのか。マーガレット・サッチャー保守党政権が、巨大で官僚的で中央集権的な中央電力公社を「発電」「送電」「配電」「小売り供給」に分割する電力自由化・民営化に着手したのは20年近く前――1990年のことである。国策分野に競争原理を導入することで ………

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