古川ロッパ日記と鈴木文史朗

横暴役者が尊敬したのは

2009年10月号 連載 [日記逍遥 第9回]

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「九時帰宅。パン食をしてから、ふと前の鈴木文史朗に読売の話きいて貰ひ、善処したく思ひ、女房を使にやる」(昭和18年7月11日)その日読売報知新聞は、有楽座にかかっていた古川緑波一座の「芋と官軍」を酷評し、「戦争傍観者ロッパに恥あれ」と非難した。これを読んだロッパは、当局の要求に日々悩まされていたこともあって「実に無礼な評」と怒り、向かいに住む朝日新聞出版局長鈴木文史朗(ぶんしろう)に相談する。「鈴木氏来訪され、成程これはいかんから、明日読売社長正力氏に会って話してやる、その上、弁明を書かせるやう計ふとのこと」1週間後、「古川緑波」名の抗議文が新聞に掲載され、一件落着となる。時代を代表する喜劇役者古川ロッパと、朝日を代表する名物記者鈴木文史朗との「ふしぎ」な巡り合わせは、こうして始まったのであった。古川ロッパは、明治36年に宮内省侍医男爵加藤照麿 ………

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