中国も「反民営化」で鉄鋼会社社長撲殺

経営難の国有企業でリストラに不満が爆発。共産主義国家なのに資産階級に労働者階級が反乱するという皮肉。

2009年10月号 GLOBAL

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7月24日夜、北朝鮮国境に接する中国吉林省最大の国有企業「吉林通化鋼鉄公司」で、組織改編に伴う人員整理を恐れた従業員3万人の抗議デモが発生、経営権を引き継ぐ民間企業出身の新任総経理(社長)、陳国軍を殴打、死亡させるという衝撃的な事件が起きた。それを25日朝にスクープしたのは、私が主宰する中国人権民主化運動情報センターである。前夜に私が陳の友人から死亡を確認した。その転電を米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)が第1面の半分を費やして報道、ロイター通信社も報道記事や分析記事を16回も流した。しかし新華社が事件を裏づける報道を行ったのは27日になってからだった。翌28日には中国の大手各紙が1面トップで報道し、続く2日間で「通化鋼鉄」(略称「通鋼」)は中国全土の著名ウェブサイトで一番の検索語となった。通鋼グループは58年創業の中堅鉄鋼メーカーで本 ………

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