東北談合の「天の声」は幻か。特捜検察の恣意的な捜査が、服役中の証人の携帯メールで暴露された。
2009年10月号 DEEP
「小沢一郎vs特捜検察」の闘いは、政権交代でいま最終局面にある。東京地検特捜部は小沢の政治資金の向こうに潜む、東北建設業界の根深い談合構造を暴こうとするが、手段を選ばない粗雑な捜査手法は、逆に自らの首を絞め、ゴールを見失うことになった。「常に権力と対峙する」輝かしい特捜の看板と実力のアンバランス――その合わせ鏡とも言うべき裁判が東京高裁で来月判決を迎える。前福島県知事・佐藤栄佐久が収賄罪に問われた「福島県汚職事件」の控訴審である。そこに「小沢捜査」失敗の原点が浮かび上がる。東京地検特捜部が地方に首を突っ込んで、県知事を逮捕したこの事件。前知事と弟の祐二が共謀して県発注の木戸ダム工事の入札に便宜を図り、見返りに祐二の経営する「郡山三東スーツ」の本社・工場の土地を、ダム工事を落札した前田建設工業の意を受けた水谷建設が時価よりも高く買い取ることで ………
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