「ファナック売却」を急いだ富士通のお家事情

2009年10月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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富士通が保有するファナック全株を売却した。これまで富士通にとってファナック株は、業績の悪化時に売却して決算をお化粧するための「虎の子」(大手証券)だった。国際会計基準への移行で、保有株の売却益は利益計上できなくなる恐れがあるため、ファナックの自社株取得に応募し、一括売却に踏み切った。世界の会計基準は、欧州勢の国際と米国、日本の3基準が並立してきたが、米国が国際基準の受け入れを表明、日本も10年3月期からの早期適用を認め、国際基準への統一化が進んでいる。国際基準は時価会計を重視しており、保有株の売却益や配当金を最終利益に計上することを認めない方針。富士通が「虎の子」売却を急いだ理由はそれだけではない。同社が主力と位置づけるシステム部門が国際基準の早期適用を主張したことも背景にある。同部門は自らが会計基準の変更で得たノウハウを活用して「企業向け ………

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