パキスタン辺境州「掃討」の現実

浸透するタリバンや外国人武装勢力の駆逐は、都市部から部族地域に移った。その戦場ルポ。

2009年9月号 GLOBAL

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パキスタンはいま、市民の自由を損ない、国家の権威に挑む反政府武装勢力に対し、大々的な掃討作戦を展開している。この軍事作戦には三つの面で意味がある――第一に法治国家の基盤を不動のものとして固めなければならないパキスタン政府にとって、第二に自由を取り戻さなければならないパキスタン国民にとって、第三にパキスタンの地をタリバン戦士の聖域にしないと宣言した北大西洋条約機構(NATO)や国際治安支援部隊(ISAF)、そして米国にとって、それは重大なことなのだ。北西辺境州スワート地区の都市部での軍事作戦は成功を収め、タリバン掃討作戦は部族地域に舞台を移した。7カ所の部族地域は戦略的に極めて重要だ。下ディール地区の西にはアフガニスタン、南にマラカンドとバジョール、北にチトラル、東にスワート渓谷があり、約50万人が住む。やはり50万人が住むモーマンド族自治区の戦略的重 ………

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