金融マクロ規制のキモは組織より機能

2009年9月号 連載 [隗より始めよ]

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新しい金融規制の改革案がこの夏、欧米当局で出そろったようだ。改革の処方箋はいずれも金融危機の世界的波及を許した自らの監督体制の見直しへと向く。鍵となる言葉は「マクロ・プルーデンス」。金融システム全体の健全性重視とでも意訳できるか。個別の金融機関の監督に力点を置きすぎ、金融システム全体のリスク集積に眼が行かなかった反省の言葉だ。4月のロンドンG20サミットでは、この方向での監督強化で各国首脳が合意している。そして各国当局が走り始めた。まずEUでは6月中旬、ブリュッセルで開催された首脳会議で欧州システミック・リスク理事会と欧州金融監督者システムという二つの新機関の設立に合意。一国の規模を超える金融機関と国境を超えて伝播するシステムリスクの実在に、マクロ、ミクロに分けてEU一体で対応する構えだ。今秋に法案化される。ド・ラロジエール元IMF専務理事らの1年 ………

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