「売上高5兆円構想」をぶち上げたカリスマの焦燥。目ぼしい後継者が見当たらない。
2009年8月号 BUSINESS
2020年に連結売上高を5兆円に乗せて衣料品専門店として世界一になる! これが、カジュアル衣料専門品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正社長が掲げる長期目標だ。09年8月期の売上高見込みは前期比16%増の6820億円だから、その約7.3倍。国内で1兆円、海外事業で4兆円を稼ぐという。その達成に向けM&A(合併・買収)を積極展開するというものの、海外事業は今8月期で800億円ほどの実績。12年間で50倍という超野心的な計画だ。「いくら何でも大風呂敷」とマスコミも小売業界も、そして社内の大半も本気にしていないが、柳井氏だけは大真面目。「その気になればできる」と言って憚らない。そこには米ギャップや、「ザラ」を展開するスペインのインディテックス、スウェーデンのH&M(ヘネス&マウリッツ)など年商1兆円以上で成長を続ける海外の衣料チェーンへの激しい対抗意識があ ………
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