2009年8月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
政府はパイオニアを300億円の出資を柱に支援する方向で最終調整に入っている。出資は改正産業再生法に基づき日本政策投資銀行が実施するが、所管の経済産業省が及び腰のうえ、肝心の政投銀の反発も強く、実現には暗雲が垂れ込める。同法に基づく出資第1号は6月末に認定されたエルピーダメモリ。エルピーダは国内唯一のDRAM専業メーカー。海外のメーカーに市場を席巻されると国内電機メーカーの経営に打撃が出る、というのが支援理由だが、「エルピーダが破綻しても韓国のサムスンから調達すればよい。なぜ税金で助けるのか」(電機メーカー幹部)との不満が漏れる。パイオニアの場合はテレビ事業から撤退し、カーナビを軸に再建する方針を打ち出しているだけに、「支援する理由はエルピーダ以上に不透明」(大手行幹部)との批判が強い。世界的に車が販売不振の中、カーナビ中心の再建計画には無理があ ………
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