2009年8月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
NECの社内で矢野薫社長の手腕に不満が渦巻いている。前期に2966億円もの巨額の最終赤字を計上、先行きに明るい材料が見当たらないにもかかわらず、社内のIT(情報技術)システムの更新を急ぎ、400億円を投ずる放漫経営に堕しているからだ。「IT企業と名乗りながら、お恥ずかしい限り。紺屋の白袴もよいところだった。この投資で仕事の進め方がシンプルになり、固定費削減につながる」と本人がシステム更新に意欲を示したのは2年前。その後の業績悪化を予想できなかった時期だけに、社内も「仕方がない」というムードだった。ところが今春闘で定期昇給の半年先送りを決めたことから批判が噴出。「カネを払う相手が違う」と社員の怒りの矛先が社長に向かった。そもそも業務の非効率が目立ち始めたのは、矢野氏の社長就任後。毎年のように組織改正を実施し、現場を顧みない組織いじりに社内の失望が高まっ ………
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