語られざる「天安門」追悼

厚い報道管制のベールを潜って、黙禱する遺族たち。祖国を離れた学生運動家がたどった苦節と風化…。

2009年7月号 GLOBAL [民主化挫折20周年]

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北京に住む張先玲女史の息子、王楠は1989年6月4日の「六四事件」(天安門事件)で命を落とした。王楠は当時19歳の高校生だったが、人民解放軍に銃殺された後に地中に埋められ、死臭によってようやく遺体が発見されたのだ。それから20年近く経ったこの5月17日。公安部の強い圧力をものともせず、北京近郊から50人の遺族が次々と張先玲の自宅に集まり、集団追悼式を行った。張の自宅には慰霊堂が設けられ、中央に「六四天安門虐殺事件20周年記念式典」という垂れ幕、左右には「真相究明は天安門犠牲者の母の権利」「正義を貫くことが暗黒の時代の希望」という対聯が掲げられた。祭壇には犠牲者の写真が並び、白バラ60輪、赤バラ40輪の「心」の字と、黄の電飾の「8964」の字がかたどられている。最前列に車イスの病人や老人が座り、最年長は92歳。ふだんはほとんど外出しないのだが、この日は全員参列した ………

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