欧米主導の迂回ルート「ナブッコ」計画に揺さぶり。海底敷設の「サウスストリーム」で対抗し、ブルガリアに圧力。
2009年6月号 BUSINESS
欧州経済にとって不可欠な天然ガスをどこからどのルートで運ぶか。これまでロシアが主要な天然ガス供給源であり、そのロシアから欧州大陸に独占的に供給していたルートはウクライナ経由のパイプラインだった。そのウクライナに2005年1月、親米派のヴィクトル・ユシチェンコ大統領が誕生してから、にわかに緊張が高まった。北大西洋条約機構(NATO)入りをちらつかせるウクライナに対し、ロシアは料金値上げなど強硬姿勢で揺さぶって、たびたびパイプラインを遮断したのだ。欧州のエネルギー安全保障は重大な脅威にさらされた。ロシアを迂回し、供給源を中東や中央アジアに求める「ナブッコ」か、ロシアを引き続き供給源として黒海の海底をくぐる「サウスストリーム」か――欧州はいま、この二つの新ルート計画をめぐって岐路に立たされている。4月末、ブルガリアの首都ソフィアで国際エネルギー会議が開か ………
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