北方領土論の迷走に「冷戦の亡霊」

2009年6月号 連載 [手嶋龍一式INTELLIGENCE 第38回]

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冒頭で断っておくが、日ロの領土問題の解決策として、筆者は「3.5島返還論」をかつて一度も支持したことがない。「3.5島返還論」をめぐる騒動が持ち上がる直前に、北方四島を前浜に望む北海道で行った日本経済新聞社の講演会でこう述べた。「私は外交を扱うジャーナリストとして、歴史的経緯からみても、法と正義に照らしても、北方四島は日本固有の領土だと思う。それゆえ、2島だ、4島だ、いや3.5島だといった交渉の進め方に疑問を抱かざるを得ない。バナナの叩き売りのような発想そのものが間違っている」この2月にサハリンで行われた会談で日ロの首脳は「従来の発想に囚われない、独創的で型にはまらないアプローチをとる」ことで合意した。「バナナの叩き売り」ではなく、「独創的な解決策」で、日ロの喉元に突き刺さった領土問題という棘(とげ)を抜こうとしているのだろう。もっとも「バナナの叩 ………

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