厚労省のその場しのぎで骨髄移植を襲う「7月危機」

2009年6月号 DEEP [ディープ・インサイド]

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白血病などの患者の命にかかわる骨髄移植が国内でできなくなる恐れが高まっている。ドナーから採取した骨髄液を濾過するフィルターの在庫が底をつくからだ。昨年12月、国内で唯一のフィルター供給元である米大手医薬品のバクスター社(以下、バク社)が突然、「欠品になりそうだ」と、厚生労働省に報告してきた。バク社はこのフィルターを全世界に供給してきたが、その製造部門を投資ファンドに売却。ファンド側はフェンオール社(以下、フェン社)を設立して、今年から製造・供給を開始する予定だったが、その計画が頓挫したのだ。医師たちは直ちに、米国で承認を受けているバイオアクセス社(以下、バイオ社)のフィルターを探し出し、我が国の骨髄液採取の4カ月分に当たる600セットを確保。日本でバイオ社の製品の承認申請を行う業者を見つけ出し、安定供給の道を探る考えだった。事態が急転したのは ………

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