日銀「出口戦略」は時代遅れ

実はインフレ目標を避けたいばかりに「隠しブレーキ」。ニューケインジアン・モデルの米欧に置き去りでは?

2009年6月号 BUSINESS [非伝統的金融政策]

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今、世界は恐慌の瀬戸際にあるという。ただ、マスコミなどは「恐慌」(depression)という言葉に慎重で、かわりに「景気後退」(recession)という表現を使っている。一般に景気後退は「実質GDP(国内総生産)が2四半期続けてマイナスになる」ことと定義されている。恐慌に一般的な定義はない。有名な「大恐慌」(Great Depression)は、1929~33年に実質GDPが30%程度落ちこんでいる。英エコノミスト誌によれば、恐慌は実質GDPが10%以上低下するか、または3年以上マイナスが続く場合に使われることが多いという。ちなみに、この基準に従えば90年代の日本の「失われた10年」は恐慌ではない。成長率のマイナスは2年程度であり、その幅は3%程度だったからだ。全米経済研究所(NBER)がアメリカ景気の後退入りを2007年12月から、日本の内閣府はわが国の景気の転換点を07年10月と発表している。今回の経済 ………

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