火を噴く「中央三井信託」争奪戦

中央三井のグループ化へ動き出した三井住友銀行。「メガ信託構想」の住友信託も黙っていない。

2009年6月号 BUSINESS

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「三井住友フィナンシャルグループ(FG)の國部毅取締役が中央三井トラスト・ホールディングス(HD)の公的資金肩代わりを金融庁に打診した……」欧米の金融危機の波及で3月危機が懸念された年度末、かかる情報が駆け巡った。株価低迷で公的資金の返済に窮した中央三井HDを傘下に入れようと、三井住友FGが当局との折衝に乗り出したというのだ。三井住友FGは3大メガバンクとはいうものの、大手証券と信託銀行を傘下に持たないため「万年3位」に甘んじてきた。その汚名を晴らすため、三井住友FGは、シティグループ傘下の日興コーディアル証券の争奪戦に名乗りを上げ、5500億円近い一番札で買収に成功した。それだけではない。「奥正之・三井住友銀行頭取は乱世の今こそ、みずほFGや三菱UFJFGを出し抜くチャンスと見ているはず」と旧住友銀行OBは言う。奥頭取の悲願は証券、信託銀行を含めた三井住友金融グル ………

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