日立製作所「庄山vs古川」の真相

69歳の元副社長が返り咲いた仰天人事の裏で凄まじい暗闘。勝ち残ったのはしぶとい老人。

2009年6月号 BUSINESS

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「健全性に欠けた」都内で4月20日に開かれた記者会見で、4月1日に日立製作所の会長兼社長に就いたばかりの川村隆(69)は、そう言い放った。「前任の古川一夫(62)、その前の庄山悦彦(73)時代を総括するとどう評価できるか」と問われてのセリフだった。長い日立の歴史の中でも、前任者の執政を真っ向から否定した新社長はいなかっただろう。しかし、川村は前会長で現取締役会議長の庄山、前社長の古川の経営にあっさりと「ノー」を突きつけた。強権を握ったトップの誕生と見まがう光景だった。3月16日に発表された日立の社長交代は、誰の目にも異様だった。日立副社長を2007年に退任し、子会社の日立マクセルと日立プラントテクノロジーの両会長を務める川村はもはや隠居の身。それをあえて本社の社長に呼び戻したのだ。川村の名前を聞いても本社幹部の多くが、その人となりを思い出せなかったのは、 ………

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