交通網などの整備で漢族地域と不可分にしようとしているが、独立勢力の「理性的暴力」志向で緊迫高まる。
2009年5月号 GLOBAL [中国のアメとムチ]
ダライ・ラマ14世がヒマラヤを越えて亡命したチベット動乱から50周年の今年、チベット独立運動に新傾向が出てきた。一般市民を傷つけず、矛先を軍、政府、警察だけに向ける「理性的暴力」志向である。この結果、絶対平和を重視する立場を基にした従来の平和運動から、最近の「理性的暴力」志向までが併存、独立運動は多元化に向かいつつある。チベット族居住地域は2月に入って緊張感が漂ってきた。2月25日以降、香港、インド、欧州など海外から四川省のチベット族居住地域への電話はすべて不通となった。同25~27日はチベット暦正月(ロサ)にあたるが、中国当局は全チベット族居住地域で、携帯電話の短信メール発信機能を停止した。チベット自治区の首府ラサや、青海省や四川省などチベット族が多数住む地域は、ピリピリとしていた。ラサでは大勢の武装警察が町中を巡回、住民は外出するのに警備証携行 ………
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