海外子会社配当「益金不算入」の戦略性

2009年5月号 連載 [隗より始めよ]

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グローバル化が進展する中、いかなる政策課題についても、企業の国際展開の実態と日本の目指す将来との関係をダイナミックに捉えた戦略的分析が求められている。税制についても例外ではない。少子化で日本市場の相対的規模は低下しており、経済成長には海外進出した企業が成長の果実を日本に還流させる仕組みが不可欠だ。目指すべきこうした産業構造を念頭に、4月1日から海外子会社配当の益金不算入制度が導入された。これまで、海外子会社の資金を配当で日本へ戻す場合、海外子会社の所得も日本の法人課税の対象となっていた。しかし日本の法人税率は進出先国よりも総じて高く、外国税額控除による二重課税調整を行っても、税率差の分が追加コストとなる。その結果17兆円超の資金が海外子会社に内部留保され、還流されていなかった。今回の改正で、手続き簡素化も含め配当による資金還流コストが大幅に ………

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