2009年4月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第36回]
リチャード・ミルハウス・ニクソン。米国史上唯一の任期途中で辞任した第37代大統領。「指導者」について思い巡らすとき、私は常にこの人物のことを考える。若いバラク・オバマ大統領が就任式で歴史に残るような名演説をしたときも、テレビで見ながらニクソンが存命だったら、どんな感想を漏らしただろうか、とふと考えた。辞任後のニクソンにインタビューし、謝罪の言葉を言わせれば、一躍有名になると考えて挑むテレビ司会者との息詰まる駆け引きを描いた『フロスト×ニクソン』という映画が間もなく日本でも公開となる。大統領を辞任したニクソンは何冊か本を書いているが、その中の『指導者とは』(原題Leaders、文藝春秋)という本は指導者論をライフワークにしたいと考えている私にとって、マックス・ウェーバーの『職業としての政治』、西郷隆盛『南洲翁遺訓』などと並んで教科書的存在である。 ………
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