樋渡検察が救った「霞が関」

針小棒大の強引さと、右に左にぶれる捜査とリーク。「検察統治論」に乗って、危うい政治的決断。

2009年4月号 POLITICS

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経済産業省大臣室で二階俊博の怒声が響き渡った。「お前ら俺に隠れてこんなことをしているのか。いったい誰だ。突き止めろ。そんな奴は飛ばしてやる」2月半ばのことだ。二階が激怒したのは、日本経済新聞が上、中、下の3回掲載した「民主党研究」の企画記事でこう書いたからだ。「経済産業省は民主党政権になった場合の対応を検討するチームを極秘に立ち上げた」二階から叱責された官房長、安達健祐がわざわざ日経を訪れ、抗議する一幕もあった。口にこそ出さないが、永田町、霞が関は「あの政治家」が総理官邸の主となる日を恐れている。16年前の「パージの悪夢」が今も脳裏を去らないのだ。1993年に日本新党党首、細川護煕を首班に非自民の連立政権が誕生した。政権の黒幕、小沢一郎の意を受けた通産大臣、熊谷弘(現在は政界引退)は、次期事務次官の最右翼だった産業政策局長、内藤正久(現日本エネ ………

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