2009年4月号 DEEP [ディープ・インサイド]
地方のバス会社の経営が軒並み悪化するなか、鹿児島市で勃発した「バス戦争」が、業界の注目を集めている。鹿児島交通などを傘下に持つ地元最大手の「いわさきグループ」が、市営バスと同じ路線に30円も安い運賃で参入した。通勤・通学定期は3カ月分を買うと1カ月分が無料になるという。車体に「官から民へ」と大書し、郊外では停留所も別々に立てての本格的な「挑戦」だ。いわさき側は「民間が苦境にあるのに、市営バスがドル箱路線を独占している」と主張している。沿線住民は大歓迎と思いきや、そうでもない。いわさきはかつて県内の323路線の廃止を申し入れ、県民の顰蹙を買ったことがあるからだ。市内中心部で得た利益で赤字路線を維持している市バスは対抗値下げができないが、市バスを応援する住民も多いそうだ。バス路線の新設・廃止や運賃は規制緩和で自由化されている。全国の路線バスの4分の ………
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