増資難航。カーライルはもてあまし、宿敵NTTに首を振られ、主力行は借り換えに難色。
2009年4月号 BUSINESS
京セラの稲盛和夫名誉会長が育てあげ、目の中に入れても痛くない簡易型携帯電話(PHS)が風前の灯だ。「ピッチ」の愛称で呼ばれ、過去15年間、ケータイ普及の先導役を務めてきたが、NTTドコモにも電力会社系にも見放され、米投資ファンド大手、カーライルの傘下に逃げ込んで5年。定額制データ通信で一息ついたものの、携帯の高速化で競争力を失い、今や「博物館入り」の瀬戸際に立たされている。その象徴は、稲盛氏の「屈辱」シーンだろう。昨年秋、稲盛氏は東京・大手町のNTT本社を訪れた。同行したのは稲盛氏が取締役最高顧問をつとめるPHS専業、ウィルコムの喜久川政樹社長。NTT側は持ち株会社の三浦惺社長が出迎え、NTT次期社長とも目される鵜浦博夫副社長が脇に控えていた。議題は、ウィルコムの増資引き受けをNTTコミュニケーションズ(NTTコム)に求める件。同社のPHS事業が2年連続で加入者減と ………
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