日ロ領土交渉「切り札」は原子力

窮地の麻生首相のサプライズは「2島+α」か。東芝にシーメンスとの三角提携を促すロシア。

2009年3月号 DEEP

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2月18日、麻生太郎首相は日帰りでサハリンを訪れた。州都ユジノサハリンスクから南へ車で1時間半、積出港ブリゴドノロエで行われたセレモニー出席のためだ。日本企業も参加するサハリンの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の液化天然ガス(LNG)の対日輸出がいよいよ始まるのを祝う記念式典に、ロシアのメドヴェージェフ大統領から電話で直々に招待されたのである。が、出席者の誰もが固唾をのんで見守ったのは、むしろ式典後の麻生・メドヴェージェフ会談のほうだった。戦後日本の悲願である北方領土返還に、新しい一章が記されるかもしれないからだ。国内政局では四面楚歌の麻生首相も、ここで領土返還の種を蒔くことができれば、失地回復のサプライズになる。密室で麻生首相はどんなカードを切ったのか。伏流は昨年11月22日に始まる。APEC首脳会議が開かれたペルーの首都リマで初の麻生・メドヴェ ………

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